U25が考えるSDGsへの意識調査を実施しました
9月のSDGs週間に合わせて、シビックインフルエンサーのプラットフォーム「RICE PEOPLE」の学生組織「RICE PEOPLE YOUTH」では25歳以下の人々が、企業のSDGsへの取り組みやSDGs自体にどのような意見を持っているのか、意識調査を実施しました。
調査の結果、社会課題の中でも「環境問題」と「ジェンダー不平等」に関する関心が最も高いことが明らかとなりました。
最大の関心は「環境問題」、次いで「ジェンダー」
調査では「企業や行政に取り組んでほしいSDGs活動」を自由記述形式で意見を募りました。
その結果、プラスチック問題や気候危機などに関する「環境問題」についてが、120回答と最多。次いで「ジェンダー」についてが42件回答という結果となりました。具体的に調査に寄せられた声は以下の通りです。
■プラスチック問題に寄せられた意見
- ・プラスチックはもっと減らしていいと思う。「プラスチック製品を買わない」という選択は、正直自分にはキツイのでできない。でも企業がプラスチックを減らして売ってくれたら、消費者も考えずに手に取れるし、食べたいものが食べられる。
- ・プラスチックを使っている製品は、 そのプラスチックの処理代も含めた価格で販売して、 最後まで責任を持って処理してほしい。発展途上国に送ったり、リサイクルされない等のことがないようにしてほしい。
- ・公共施設に無料給水スポット設置、水筒に入れられる自動販売機の開発をしてほしい。
- ・プラスチックに限らずだが、使い捨てを減らすことと商品について無駄な在庫をかかえるほどの製造をやめてほしい。
- ・選択肢を増やして欲しい。例えばプラスチックでできた詰め替えの販売だけでなく、ボトルを持っていけば入れてもらえるような仕組みを増やして欲しい。
■気候危機に寄せられた意見
- ・2030年までの温室効果ガスの削減目標を62%以上にして欲しい。
- ・ゴミを燃やさず・地球温暖化を進ませずにリサイクルなどを行なってほしい。畜産が地球温暖化を加速させる事をメディアで取り扱ってほしい。
- ・企業、学校、自治体をあげての自然エネルギーへのパワーシフトを進めてほしい。
- ・石炭火力発電への投資をやめてほしい
■ジェンダー問題に寄せられた意見
- ・同性婚や選択的夫婦別姓への支持を含む、ジェンダー平等を進める活動をしてほしい。
- ・テレビドラマで権力者や社長などの上の立場の役の女性を増やしてほしい。
- ・男性の育児休暇取得や女性の生理休暇などを普及する活動。
- ・性別や生まれながらのものに囚われず、みんなが使いやすいような実用性のある商品や仕組みの開発
- ・性別記入欄の拡充
環境問題やジェンダー問題に対する意見の他に、「SDGsウォッシュ」とも言われる企業のSDGs活動を疑問視する意見が挙がったのも特徴です。
- ・企業が本当にSDGsの達成を目指すのであれば、事業の費用対効果(社会課題解決に対しての効果)を具体的に計測し、次年度の事業計画に反映されるような仕組みが必要であると思う。
- ・ファッション、化粧品、健康食品など流行性のある消耗品は商品開発が多すぎ、中には需要がないのに生産されているものもあるように感じる。本当に必要なものだけ作るのがSDGsなのではないだろうか。
- ・目先の利益ではなく長期的に見た計画、開発をしてほしい。
一方設問に対して「特になし、分からない、無回答」だったのは全体の約1割に留まり、25歳以下のSDGsに対する関心の高さが感じられる結果となりました。
調査結果の詳細について
設問1:SDGs(持続可能な開発目標)17の目標の中で、あなたが最も問題意識を感じるものはどれですか?
SDGs17項目から選択式で回答。最も回答数が多かったのは「5.ジェンダー平等を実現しよう」(13.4%)、次いで「12.つくる責任、つかう責任」(11.2%)と、ジェンダーや環境問題に関する項目の回答が多い割合を占めています。
回答数順(最多回答から順に)
1)5.ジェンダー平等を実現しよう 13.4%
2)12.つくる責任、つかう責任 11.2%
3)4.質の高い教育をみんなに 9.8%
4)1.貧困をなくそう 8.7%
5)13.気候変動に具体的な対策を 8.4%
設問2:今あなたが実施している/したことがあるSDGs達成に貢献する取り組みはありますか?
アンケート内で「実施している/したことがあるSDGs達成に貢献する取り組み」について調査をしたところ、最も回答が多かった項目は「マイバックを持つ」(84.2%)次いで「マイボトルを持つ」(60.5%)、「リユース・リサイクルの推進」(51.5%)、「使い捨てプラスチックを減らす」(43.3%)、「寄付・募金」と「エシカル・サステナブルな選択」(33.8%)が上位5つとなりました。
設問3:あなたがSDGsに関心を持ったきっかけは何ですか?
回答数順(最多回答から順に)
1)学校での授業や取り組み 37.9%
2)テレビや新聞などマスメディアからの情報 13.1%
3)友人との会話やSNSでの発信 10.4%
4)SDGsに関連するイベントへの参加 7.4%
5)社会課題の当事者になる/直接的な接点を持つ 7.1%
特に14歳〜17歳の回答者のうち64.6%が「学校での授業や取り組み」を選択していることから、学校教育においてもSDGsに関する授業が推進されていることが予想されます。
設問4:「SDGsを最も推進している企業」で思い浮かぶ企業はどこですか?また、その企業を選んだ理由は何ですか?
自由記述形式で企業名とその理由を調査しました。回答が多かった5社とその理由を抜粋し、掲載します。
■ボーダレス・ジャパン(33名)
- ・多くの取り組みに結果が伴っているから。
- ・社会課題をもとにビジネスモデルを組んでいるから。
- ・ソーシャルビジネスしかやらないところが、まさにSDGsと直接的につながっているから。
■パタゴニア(24名)
- ・地球のために持続可能な社会のために事業を常に改善しているから。また、SDGsという概念に即していることが”目的”ではないことがわかるから。
- ・素材の設計から、消費者の手元に行くまでもすごく配慮されていて、なるべく買うなってメッセージを発しているから。
- ・資源の浪費や大量の廃棄物、途上国の劣悪な労働環境など問題の多いファッション業界において、問題意識が高く、いち早くSDGs達成に貢献しているため。
■トヨタ自動車(19名)
- ・圧縮水素エンジンを使った車を開発し耐久レースに参加という分かりやすい成果が見られたから。
- ・社会貢献度ランキングで上位に選ばれている印象がある。
- ・大衆に向けてクルマの視点から環境に向き合っている印象がある。
■スターバックスコーヒー(14名)
- ・紙ストローに転換したり、マイタンブラーを推進したりしているため。
- ・今は殆どの企業が取り組んでいますが、公になることは少なく、この点スターバックスは大々的に発信しているから。
- ・食品ロスへの取り組みやプラスチックストローを使用しないなどの取り組みをよく聞くから。
■無印良品・良品計画(14名)
- ・無印良品の店舗でマイボトルを推進したり、飲料の容器をペットボトルから缶に切り替えたりといった取り組みについて聞いたことがあるから。
- ・企業の大きさ・知名度がありながらも、オーガニック商品、コオロギせんべいや保冷剤回収、給水所などいろんな工夫が見られて、たくさんの人に「きっかけ」を与えてると思うから。
- ・レシート、製品の素材など、環境意識の高さが目に見えるから。
設問5:企業や行政に対して、あなたが提案したい、取り組んでほしいと考えるSDGs活動はありますか?
本記事にて記載した内容にて代えさせていただきます。
アンケート調査に関して
■調査概要
調査の方法:Tomoshi Bito株式会社が運営するシビックインフルエンサーのプラットフォーム「RICE PEOPLE」を利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:14歳~25歳の人々を対象に実施(ジェンダー、職業、居住地などを問わない全ての人)
有効回答数:367(ジェンダー比:女性 260名、男性 84名、その他 23名)
調査実施日:2021年9月9日(木)~2021年9月19日(日)
■RICE PEOPLE YOUTH とは
発信を通してより良い社会作りに参加するシビックインフルエンサーのプラットフォーム「RICE PEOPLE」の学生が主体となって立ち上げたユースチームです。U25の若者の間で、社会問題や政治への当事者意識を高めるために、社会的な発信に取り組む人を増やす活動に取り組んでいます。
アンケート調査、「RICE PEOPLE YOUTH」に関するお問い合わせはこちら▼
代表 岩間寧々
rice.people.youth@gmail.com