【SDGsマーケティング決定版】企画の考え方から広告事例まとめ
目次
- はじめに
- SDGsとは何か
- SDGsはマーケティングに活用できるのか?
- SDGsをマーケティングに生かすために必要なこと
企画の考え方「誰の何を解決したいのか」
受け皿を作る「どこで共感するのか」
発信する「誰にメッセージを届けるのか」 - 補足:インフルエンサーを起用するために
1.はじめに
国連が主導し定められたSDGs(持続可能な開発目標)。日本でも徐々に認知が広がり、企業においてもSDGs活動に積極的に取り組む動きが見られるようになってきました。SDGs自体は社会に良い「ソーシャルグッド」な取り組みですので、SDGsの認知が広がるにあたって、それらをマーケティングに活用しようと考える企業も年々増加傾向にあるのではないでしょうか?
一方でそんな中生まれたのが「SDGsウォッシュ」という言葉。マーケティングや企業の利益のために、SDGsを取り組んでいるように見せかけていることを指します。企業がSDGsの活動をマーケティングに活かすこと自体は悪いことではありませんが、発信の仕方や企画の立て方次第では逆に消費者の反感を買うことに繋がってしまいかねません。
本記事では、SDGsを含む社会課題の解決に関わる事業のPR、マーケティング支援を専門に取り組んできた立場から、SDGsをマーケティングに活かしたいと考える担当者様に、必要なマインドセットから企画立案まで、使える知識をお届けさせていただきます。
2.SDGsとは何か?
SDGsとは「持続可能な開発目標」を指し、2015年9月に国連のサミットで採択された、国際社会の共通の目標です。「気候変動に具体的な対策を」「ジェンダー平等を実現しよう」といった17の目標に、5~10個の達成すべき具体的な目標(ターゲット)が付随する形で、全てで169のターゲットが設定されています。
もともと2015年までの達成目標として掲げられたMDGs(ミレニアム開発目標)が前身となり、2030年までに達成するべき目標として、SDGsが制定されました。
近年日本社会においてもSDGsの認知度は上昇傾向にあり、2021年1月に電通が実施した「SDGsに関する生活者調査」では、前年と比較し認知度が倍増、54.2%となったことが発表されています。
また同調査では、「SDGs 活動を知るとその企業のイメージが良くなる」と答えた割合が、いずれの性別、年代でも過半数を超えており、今SDGs活動のマーケティング活用へ注目が集まっています。
SDGsはマーケティングに活用できるのか?
これまで社会性に特化したPR支援、マーケティング支援に取り組んできた立場として「SDGsはマーケティングに活用できるのか?」という問いへの回答は、YESでもありNOでもあります。
企業がSDGsに関する社会課題に取り組むことで、結果的に売上に繋がる事例は多数あります。そういう視点では、「SDGsはマーケティングに活用できる」といえるかもしれません。
一方で、マーケティングのための表面的な取り組みや、「SDGsで言うと何番にあたります」といった、ただ当てはめるだけといったSDGs活動も少なくありません。いわゆる「SDGsウォッシュ」という言葉にあたる活動であり、言葉の台頭には、そうした本質的ではないSDGs的な取り組みが増えていることの裏付けでもあると言えます。
見せかけの取り組みは、Z世代を中心とした社会課題やサステナブル、エシカルといった分野に関心を持つ消費者からは直ぐに気付かれてしまいます。マーケティング的に効果が得られるかどうかはあくまでも結果論であり、結果に繋がるためには、社会課題と向き合う企業姿勢は不可欠と言えるでしょう。
SDGsをマーケティングに活かすために必要なこと
ここからはSDGs活動をマーケティングに活かすためには、どのような考え方、打ち手が必要となるのかを紹介していきます。
■企画の考え方「誰の何を解決したいのか」
企業におけるSDGs活用や企画を考える際に大切なことは、その企画は具体的に「誰の・何を解決できる」取り組みなのかを明確にすることです。
ここで重要なことはその取り組みが表面的なアプローチではなく、本質的なものなのかという視点です。「これもSDGsでいうと〇番の解決に繋がります」といった関連性くらいでは、多少のイメージ向上にはつながるかもしれませんが、コンセプトにファンになったり、社会性に共感して購買行動を起こすなどの行動変容を生むことは難しいでしょう。
また企業の取り組んでいる事業との関連性もあることが望ましいです。もちろん社会貢献として、様々な社会課題に取り組むことは社会的に意義のあるものですが、その企業が取り組み意義が伝わるような関連性があるテーマであれば、よりマーケティングには繋がりやすくなります。
■受け皿を作る「どこで共感するのか」
企画ができた!あとはそれを知ってもらえるう、さあPRや広告へ!というタイミングで意外と見落としがちなのが、企業のSDGs活動を認知際に、その活動をより深く知れたり、多くのユーザーから支持されていることを感じられる「受け皿」です。
例えば、環境問題に対してサステナブル素材にとてもこだわった製品を作ったとしても、ブランドのSNSアカウントやWEBページにはその製品開発に至ったストーリーや、メッセージなどが発信されていなかった場合、ただ認知を広げても共感を最大限まで引き上げることは難しくなります。
またSNSマーケティングでは、WEBで検索をする前に、SNS内でハッシュタグなどを通して口コミを確認するというステップがあります。とても良い取り組みだ!と感じても、SNS上に口コミが全く発生していない場合、実際の購買までつなげる難易度は上がってしまいます。
このようにただ認知を広げるだけでなく、認知したユーザーがどこで企業のSDGs活動をより深く知り、共感を高めていくのか、その受け皿を準備することも非常に重要です。
■発信する「誰にメッセージを届けるのか」
企画が立ち上がり、受け皿の準備も整えば、いよいよ認知を拡大するフェーズです。認知を広げていく手法はPR、WEB広告、インフルエンサーとのタイアップなど、様々な手段が存在します。企業のSDGs活動に共感を示しそうな消費者にリーチできる手法を選択していきましょう。
手段はそれぞれ一長一短があると思います。そのため今回の記事では特にインフルエンサーマーケティングを中心に企業に携わる立場として、インフルエンサーを起用することの利点と課題について少し触れさせていただければと思います。
インフルエンサーを起用することの利点は、「第三者を通して企業の社会性についてのメッセージを発信できること」と言えます。広告などでもメッセージを発信することはできますが、広告自体がSNSユーザーから避けられる傾向もあることや、自分たちで自分たちの社会に良い行いをアピールするよりも信頼性が高まることがインフルエンサーを起用することの強みではないでしょうか?
また中でもSDGsや社会課題に強いインフルエンサーを起用する場合、多くの場合はフォロワーにも社会的情報への感度が高い消費者がついていることが想定されます。そのため、SDGs活動に共感性を持つ消費者へと効果的にメッセージを届けられることも強みです。
一方課題点としてはそうした社会的なインフルエンサーは、他のジャンルと比較をするとまだまだ規模が限定的なことです。マスにメッセージを発したい場合は広告を活用していくことも検討する必要があります。
補足:インフルエンサーを起用するために
筆者が運営する「RICE PEOPLE」では、発信を通してより良い社会を作りたいという思いを持った「エシカルインフルエンサー」のプラットフォームを運用しています。
インフルエンサーを起用したタイアップ企画や、マイクロインフルエンサーを中心に、タイアップ投稿でなく、報酬無しでUGCを発生させていく「RICEプロジェクト」を社会的な取り組みを推進する企業団体に提供しています。
SDGs、サステナブル、エシカル、ソーシャルビジネスなど、社会に良い商品・サービスを、社会的な情報に感度が高い発信者と一緒に広げていくことに関心がある方は、是非下記企業向けページをご確認ください。
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〈文=RICE PEOPLE 廣瀬〉