2021/09/22

認知だけで満足しない!共感から購買までつなげる「エシカルギフト」のエシカルインフルエンサーマーケティング

バングラデシュの貧困層に雇用を創出することを目的に立ち上がったオーダーメイド型、カスタム革ブランドの「JOGGO」。

クリスマスやバレンタインなどのギフトにぴったりな革ブランドとして、25万点数を販売し、人気を集めてきました。

従来のマーケティングでは「エシカル」という面を前面に押さずに展開をされてきたJOGGOですが、2021年からRICE PEOPLEと共同で、シビックインフルエンサーを起用し、社会課題に関心のある「エシカルコンシューマー」に向けたPR施策を展開。

その背景にある考えと、施策の効果についてお話を伺いました。

神奈川県横須賀市出身。土木業、重量鳶業を経て2006年IKEAジャパン株式会社へ入社。IKEA港北店にてトップマネジメントを経てコストコホールセールジャパン株式会社へ転職、コストコ座間倉庫店にて副倉庫店長を務める。

16歳のころからサーフィンをライフワークとし、また波がないときは山の中で遊ぶことを趣味としている中、自然の素晴らしさを体感するとともに現代社会の営みが地球に対して多大な影響を及ぼしていることに苦悩を抱える中、株式会社ボーダレス・ジャパンの取り組みを知る。その後同グループのジョッゴ株式会社代表取締役に就任。

―RICE PEOPLEとの施策実施に至った経緯は何だったのでしょうか?

JOGGOは、バングラデシュの貧困問題解決に取り組むことを目的に立ち上がったソーシャルビジネスなのですが、実はこれまでそういった社会的背景やエシカルな側面は全面的には打ち出してきませんでした。

理由は様々ですが、貧困層に該当する人を自社工場に迎えているため、「貧しい人が作ったもの」というようなメッセージを出すことは、工場のメンバーの望むことではないと考えていたためです。

また日本のエシカルマーケットは欧米と比較しかなり小さいこともあり、社会的背景を訴求することは得策ではないとも考えていました。

しかしながら昨今SDGsの浸透もあり、企業の社会的活動や倫理的なビジネスを求める消費者が徐々に存在感を強めています。

そういった時代背景もあり、社会的背景を求めるお客様に対しては、既にJOGGOが持っているものをしっかりとメッセージとしても届けていきたいと考えるようになったのが始めのキッカケです。

―色々なPR方法があると思うのですが、エシカルインフルエンサーマーケティングを選んだ理由はありますか?

あくまでもブランドのコンセプトを変えるのではなく、社会性を求めるお客様に対して、JOGGOのストーリーを伝えたかったため、ターゲットを絞れるインフルエンサーマーケティングの活用を考えました。

また自社からのメッセージだけでは信ぴょう性があまり担保されないといいますか、「何だか、会社が自分たち社会に良いことやってますって言ってるな」とくらいにしか受け取られないのではないかという懸念もありました。

もともと自社でインフルエンサーとのタイアップ企画は実施をしたことがあったのですが、これまでの施策はファッションインフルエンサー、カップルインフルエンサーとのタイアップが中心でした。

今回の目的を考えたときに、いつも社会課題のことなど全然発信していないのに、いきなり社会的なメッセージを出しても違和感が生まれてしまいかねないので、日ごろから社会的な発信をしているインフルエンサーを探していた時に、「エシカルインフルエンサー」という概念を知りました。

―具体的にはどんな施策をされたのでしょうか?

ちょうど母の日に向けて、JOGGOの方で「革の花」という新商品を発売する予定をしていました。母の日に向けてギフトニーズが高まることもあり、このタイミングで何か施策ができないかと考え、RICE PEOPLEの方に相談を持ち掛けました。

その中で、革の花を活用し、「母の日に贈るエシカルギフト」という方向性でPR投稿を生んでいくことを提案いただき、採用させていただくこととしました。

事前に革の花を各インフルエンサーにカスタムしていただき、母の日の約3~4週間前にPR投稿を発生。一緒にクーポンコードを記載いただくことで購買につなげる施策を実施しました。

―実際採用したエシカルインフルエンサーの投稿をみて感触としてはどうでしたか?

日ごろからエシカルや社会課題に意識を持たれているインフルエンサーなだけあって、JOGGOの解決したい社会課題や、そこにまつわるストーリー、また商品を作っているバングラデシュの工場のことなどを丁寧に触れていただけたことがとても嬉しかったです。

RICE PEOPLEでは企画に参加するインフルエンサーに向けたオンラインでのオリエンテーション「RICE MEET」を実施できると思うのですが、そこでしっかりとJOGGOの紹介をさせていただけたことが大きいと感じています。

PR案件ですと、報酬や提供商品を目的に参加するインフルエンサーも中にはいるかと思うのですが、指定されていた投稿数以上の数を発信してくださった方もいて、本当にJOGGOの取り組みに賛同いただけたことが伝わりました。エシカルインフルエンサーマーケティングならではの効果だったと感じています。

―その点を喜んでいただけてとても嬉しいです。実際の売上にはつながったのでしょうか?

正直想像以上の結果を出してもらえました。そもそも他のファッション、カップルなどのインフルエンサーと比較をして、どうしても規模感としては小さくなってしまうため、売り上げ自体も実際ついてくるのかは少し不安を感じていました。

しかし結果的には、費用対効果としても十分に良い結果を出していただけましたし、非常に有難かったです。JOGGOの社会的背景のストーリーに共感をいただけ、ギフトとして選んでいただける方の存在を強く感じました。

―売上以外の面では、何か効果を感じられましたか?

インフルエンサーの投稿期間中、フォロワーも増加しました。JOGGOの社会背景に共感をいただく人と繋がりが増えたことは、今後のブランド展開にとってはとても有難いことだと感じています。

また商品だけでなく、JOGGOの社会的背景を持って購入いただいた方は、一過性にならず今後も応援いただき、リピートしていただける可能性も高まるのではないかと期待感は持っています。

―今後もエシカルインフルエンサーマーケティングは活用されていきますか?

効果としても実感できていますし、費用対効果も問題ないので、今後も継続して取り組みを実施していきたいと思っています。今後も時代的には、物を買うときにストーリーを大切にしたり、社会的背景を考える消費者は間違いなく増えていくと思っています。

RICE PEOPLEにいるエシカルインフルエンサーはいわゆる社会課題のアーリーアダプターだと思っていますので、まずはそのアーリーアダプター内で共感を高め、ファンになっていただくことは今後のブランドにとって大きな力になると期待しています。

―お話をお聞かせいただきありがとうございました!これからの取り組みも楽しみにしています。

〈取材・文=RICE PEOPLE 編集部/写真=ご本人提供〉

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